中部エリア随一の
常設eスポーツスタジアム
前例のない挑戦の軌跡
MEMBER
EPISODE.01
ゲームユーザーの一言が、 新領域に挑む開拓者の心に火をつけた。
「夜になると回線がつながらない。動作が遅くなる」、新プロジェクトが誕生したきっかけは、コミュファ光の問い合せ窓口に寄せられたゲームユーザーの声だった。当時、技術部門でコミュファ光の開発を担当していた、このプロジェクトの統括責任者である末澤は、「ゲームユーザーが通信環境にこれほどシビアだとは」と驚くとともに、そこに新たなビジネスチャンスがあると感じたという。
ちょうどその頃、eスポーツを職業とするプロゲーマーが現れはじめ、eスポーツ業界は盛り上がりの兆しを見せていた。「通信のインフラ企業であるctcなら、高品質な通信環境を整備できる。中部エリアには常設のeスポーツ施設がない。だったら、ctcがつくるのはどうだろう?」。コミュニティが継続的に活動できる場を提供することで、新たな産業や文化の発展に貢献できるのではないかと考えた末澤は、当時の上司と連日企画会議を重ね、幾度も東京や大阪まで出張するなど、情報収集や人脈形成に奔走した。2019年3月頃のことだ。
やがて末澤の企画に基づき、事業性を検討するためのワーキンググループが立ち上がる。末澤は、まず隣の部署に所属する懇意の星野に声をかけた。業務用ドローンの運用を検証するなど、発想力と実行力を兼ね備えた星野はプロジェクトのキーマンになると見込んでいたからだ。「末澤さんは天才肌のエンジニア。話をすると面白くて、そんな人に誘われたのは正直うれしかった」。二人は早速、全国の既設スタジアムの情報収集をし、コミュニティの人にヒアリングした。「回線のせいで負けた!と話しているのを聞いて、絶対にそう言われない、ハイスペックなゲーミング環境を整えようと思いましたね」、星野は笑う。
EPISODE.02
「これこそスポーツだ!」 試合の生観戦が挑戦の原動力に。
2019年7月、ctc全社員宛に一通のメールが送信された。そのメールには、ctcが9月1日からeスポーツ事業に取り組むこと、それに伴い2名のプロジェクトメンバーを募集すること、希望者は7月末までに応募することが記してあった。末澤と星野の予想をはるかに超える数の応募者のなかから選考され、新メンバーとして加わったのが夏目と岡田である。
プロジェクトメンバーの公募は、実はctc初の試みでもあった。 30代半ばの夏目は「自分の意志で異動できるチャンス。キャリアにおいて思い切った挑戦をするなら今だ!」と感じたという。入社4年目だった岡田はもともとゲームやeスポーツが好きだったことから、面白そうだなと好奇心を抱いて応募。末澤によると、“想いの強さがある”ことが二人の共通点だった。
9月、プロジェクトが正式に発足し、メンバーたちは研修を兼ねて、幕張メッセで開催された「東京ゲームショウ2019」を訪れる。彼らはまず、会場に溢れる熱気に圧倒された。「eスポーツ業界ってこんなに熱があるんだ!」、国境や年齢を問わず人々がゲームを楽しむ様子に、星野はeスポーツ市場の成長を予感した。夏目は、今までeスポーツを知らなくて恥ずかしいとさえ感じたという。岡田は生で試合を観戦する高揚感、現場の空気感をみんなで一緒に味わえる臨場感に酔いしれた。ルールがあり、人と人とがフェアに勝負し、観戦してるだけでドキドキする。それは、まさしくスポーツの世界。eスポーツに陶酔し、その将来性を確信した経験となった。
EPISODE.03
コミュスタが、 ctcの未来に花を咲かせる種になる。
ctcはもともと、インフラ企業らしい安定感をもった企業だ。だがこのプロジェクトにおいては、何もかもが驚くほどのスピードで進行した。末澤が企画を提案してほどなく、縁あって知り合ったパルコ関係者から物件情報が持ち込まれ、スタジアムのオープンが11月に決定する。メンバーの公募といい、スケジュール感といい、すべてが異例づくしだったのは、このプロジェクトがそれほど魅力的だったからだろう。末澤はこのプロジェクトを、「未来への種まき」だと位置づけていた。だからこそ、絶対に成功させなければならない。そんな使命感を、一人ひとりの情熱と絶妙なチームワークが支えていた。
星野と夏目は営業部隊として人脈を広げ、イベントの発注やスポンサーの獲得に奔走した。末澤と岡田は技術部隊として施工関連を担当。プロのイベンターや施工業者から有益な情報をもらい、設備や機材の仕様を決めていく。岡田は持ち前のフットワークのよさを活かし、現場で何か不都合があったときは真っ先に対応した。スタジオ内の備品は、多くの人の手を借りながら、自分たちで組み立てもした。無我夢中で作業する日々が続いた。
そして迎えたオープニングセレモニー。フロアには招待客の約2倍となる150名ほどが集まり、コミュスタは中部エリア初の本格的なeスポーツスタジアムとして華々しいスタートを切った。最前列に居並ぶ各メディアの経営陣、愛知県知事や名古屋市長、ゲストの期待に満ちた表情が注目度の高さを物語り、メンバーたちはeスポーツの未来を担う責任感を肌で感じていた。そう、ここからがスタートなのだ。
EPISODE.04
目指すのは、あらゆる世代から 「愛される場所」にすること。
オープンして3カ月過ぎた頃、にわかに新型コロナウィルス感染症が流行しはじめる。徐々に増えてきていたお客さまの来店や、イベントの案件がリセットされ、売上や事業継続性の面で深刻な状況に陥った。
そこでメンバーは知恵を出し合い、本格的な独立型配信ブースを持つコミュスタならではの打開策を模索。本業である通信の強みを活かして、自社スタッフだけでオンラインイベントを企画し、実施した。幾度かの経験を積み、撮影・音響・照明それぞれのスキルが向上したことで、多彩な配信イベントの受注につながった。就活生向けの企業説明会や俳句のオンライン受賞式など、当初は想定しなかったイベント案件も、自由な発想で乗り越えていく。協力会社と共催したオンラインイベントでは、コロナの影響により販売できなくなった地元企業のお菓子を、参加者200名に送ったこともある。お菓子が届いたことに感謝してくれているSNSの投稿を見つけたときには、オンライン・オフラインに限らず、お客さまとの絆を感じることができたという。
さらには、地域とのつながりも強化中だ。スポンサー営業を担う夏目は、高校におけるeスポーツの部活動支援も担当している。「子どもの力は無限大だと実感しますね」、eスポーツの裾野を広げ、ここ中部をeスポーツ強豪高がひしめく地域にしたいと意気込む夏目は、企業とのコラボレーションなどの新規施策にも積極的に取り組み、スポンサーやお客さま、eスポーツ部の関係者、みんなの想いに応えていくことを目指している。
岡田は、オンラインゲームの社内大会を企画した際に、「コミュスタって、こんなことができるんだね」と喜んでもらえたことが印象的だったと語る。ゲームを楽しんでいた自分が、今は楽しませる側に立っている。お客さまが楽しむ姿を目にして感動する瞬間や、初めから終わりまで、自由にイベントを組み立てていくプロセスに仕事の醍醐味を感じているという。
メンバーそれぞれが手応えを感じはじめているものの、日本においてeスポーツは広く世間に浸透しているとは言い難い。海外ではプロ選手やプロチームが脚光を浴び、今や産業としてもプロゴルフ市場と同等の産業規模になっているにも関わらず、日本ではまだ「ゲームは遊ぶもの」という固定観念が根強いのだ。それを打破するには、一人でも多くの人にeスポーツを体験してもらうしかない。イベント一つひとつのクオリティを高め、目や耳、五感でeスポーツを楽しむ機会や、プレイヤーが活躍できる場を増やしていくことが壁を乗り越える道だ。
コロナによる逆境もチャンスに変えて、
周りの人に感謝しながら、
貪欲に挑戦を続けてきたメンバーたち。
2026年には、地元愛知でeスポーツのアジア大会が
開催されることが決定した。
彼らの夢は、そこで金メダルを獲得するような
未来のスターをコミュスタから育てること。
コミュニティをはじめ、
ここをホームと慕ってくれる人を増やし、
長く愛してもらうことで、
その夢はきっと叶うだろう
スポーツには「プレイヤーズファースト」
という言葉があるが、
コミュスタが大切にしているのは、
「プレイヤーズ“エクスペリエンス”
ファースト」という信念だ。
ここ中部エリアで、プレイヤーのみなさんに
新たな体験や価値を提供し続けていきたい。
その想いがeスポーツの、
ひいては中部産業界の、
未来を明るく照らすはずだー。